【荒木所長からのおたより】「塩分と上手に付き合っていきましょう」

【伊勢地域ニュース2021.11月号より】

 みなさん、こんにちは。今年は大好きなサンマが高いし、脂ものっていないので、まだ一度も食していない所長の荒木です。サンマに大根おろしと醤油、できればスダチも絞って…、最高ですよね。日本の食卓には季節感があり、栄養バランスも整っており健康的なのですがどうしても塩分が多くなりがちです。塩分を取りすぎると血圧の上昇につながるのは、みなさんよくご存じだと思います。塩分は水分を血管のなかに引き込む力があります。塩分を過剰に摂取すると血管内が水でパンパンになり、血圧が上がり、血管自体も傷んでしまうのです。一般に日本人が目標とする1日の食塩摂取量は、男性7.5g未満・女性6.5g未満です。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(20年版)」より)

 医療福祉生協では、1日あたり6gを目指しています。食塩は、小さじ1杯で約6gです。醤油やうま味調味料など各種調味料にも食塩は含まれていますから、この目標を達成するのは非常に困難と言えます。塩分が多く含まれるものの代表として、力ップラーメンがあります。これは想像通りですよね。スープまで全部飲み干しての話ですし、みなさんはそれほど食べる機会もないかもしれません。ではよく食べるのに意外と含まれているものは何でしょうか。答えはパンと麺です。食パン6枚切りで1枚0.8g、うどん1食0.7gです。朝は食パンにバター…、僕の毎日の定番です。みなさんの中にも多いのではないでしょうか。僕はつけませんが、サラダを付け加える方も見えると思います。サラダにかけるドレッシングも大さじ1杯0.5-0.7gの食塩が含まれるので注意が必要ですね。なかなか控えるのは難しいものです。ではどうしたらいいのでしょうか?

 それは塩分を外に出してしまえばいいのです。体から塩分を外に排出する代表はカリウムです。カリウムは野菜・果物・イモ類・海藻・豆類などに多く含まれますが、ゆでると溶けだしてしまうので汁も一緒に食べることができる味噌汁やスープがおすすめです。味噌汁には塩分も多く含まれますが、カリウムたっぷりであればあまり問題ありません。もっとお手軽なのはバナナとキウイフルーツです。ただカリウムは腎機能が低下している方は摂りすぎるとあまりよくありません。気になる方は採血結果で確認してみましょう。

 野菜や果物をうまく料理に取り入れながら、秋の味覚を楽しみたいものです。もちろん大根にもカリウムは含まれています。サンマに大根おろし、醤油は少なめでいかがでしょうか?おろし汁にはカリウムが含まれていますから、絞らずにね。

(文・伊勢民主診療所所長 荒木 潤)

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