おとなワクチン 特別編
新型コロナウイルスワクチン①

津地域委員会ニュース きずな 2021年4月号より

みえ医療福祉生活協同組合が開催している保健大学にご登壇頂いた、津生協病院副院長の宮田智仁先生に「おとなのワクチン特別編」として新型コロナウイルスワクチンについて執筆頂きました。

新型コロナウイルスワクチン①

皆さんこんにちは。久しぶりのおとなワクチンシリーズですが、今回は特別編として新型コロナウイルスワクチンの話をいたします。

このワクチンについて情報が日進月歩であり、この記事を書いている2021年2月8日時点での情報を元に記事を書きますので、皆様がこの記事を見た時にはすでに化石のような情報になっているかも知れないことを了承の上ご一読ください。

結論から言いますが、この新型コロナウイルスワクチンは絶対に接種した方がいいと私は勧めます。いかに理由を記載していきます。

まず一つは、新型コロナウイルスに罹患した場合のその死亡率の高さが問題です。根本的な治療薬が残念ながら現時点で存在せず、治療は対症療法が中心となります。

20歳台までは死亡率はほぼ0%に近い数字ですが、30歳以上では死亡率が上昇します。特に70歳台で17.05%,80歳台30.72%、90歳台で34.50%と高齢者には数人に一人の割合という高い死亡率になっています。死亡しなくても後遺症が残ることを考慮すると高齢者にとって非常に恐ろしい感染症であることは間違いありません。

ワクチンの有効性については、2回接種した場合、日本で承認される予定のワクチンでは、ファイザー社95%、モデルナ社94.1%、アストラゼネカ社90%発症を減らすとされています。

インフルエンザワクチンの有効率は30~50%程度であることを考慮すると優れたワクチンが開発されたと言ってよいでしょう。また重症化予防効果もあると報告されています。ただし、効果がどの程度持続するかについては、長期的な判定が現時点ではできないため分かっていません。実際に罹患した方の交代が平均して8か月続いていたとの報告があるので、ワクチンもその程度の可能性があり、生涯に1度だけはなく、インフルエンザワクチンのように毎年接種する必要があるワクチンになる可能性があります。

副反応については、皆さんどうしても気になるところでしょう。

現時点で分かっている副反応は、接種部位の痛み・腫れ・発赤などの局所症状と、発熱・倦怠感・頭痛・寒気・筋肉痛・関節痛など全身状態が報告されています。局所症状は80~89%、全身症状は55~83%と多くの方におこると報告されています。

ニュース等で大きく報道されているアナフィラキシーという」重篤な副反応は、発生率は10万人に1人の割合とされており、みえ県民が180万人とすると三重県で18人程度発生する割合です。またアナフィラキシーは適切に対処すれば、死亡することはほとんどなくきちんと準備された場所で接種を受ければ安全であると言えます。むしろ私が気にかけているのは、過緊張状態で接種を受けて失神する「迷走神経反射」で血圧が下がってしまう人が一定数出るのではないかという事です。

接種を受ける際にはデーターを信じておおらかな気持ちで、接種を受けて下さい。

このワクチンに関しては、一律10万円の給付金よりもはるかに価値のある物であると思ています。命は10万円では買えません。そして大事なことは、ワクチンを受けたくても受けられない人々がいることを忘れてはいけません。その人たちを守るためにも接種できる人が接種して集団免疫をつける事が大切です。「One for All、All for One。」みんなで手をつないでこの難局を乗り越えていきましょう。

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