【伊勢地域ニュース2022.6月号より】
4月から「地域支援活動」を新設しました。介護職として20年、宮川さくら苑の主任を経験された楠田則子さんが相談員として、これから診療所や介護施設の外からも、皆さんの生活を支援する活動をすすめていきます。今回はその一例をご紹介します。
処方されたお薬を、正しく飲んでいただくために
伊勢民主診療所で「気になる患者さん」として、名前が挙がったAさん。薬の服用ができていない様子だったと、看護師から相談を受けました。気掛かりではあるものの、実際に患者様一人一人の服薬管理は難しいのが実情です。今回地域支援相談員として話を受け、担当のケアマネジャーも交え、Aさんの服薬支援を検討しました。診療所受診のお迎えに行った際、Aさんの自宅には決められた服薬がされていないのが一目でわかるほど沢山の薬が残っていました。
診療所とケアマネジャーに報告し、どうすれば一人で暮らすAさんが安全に服薬できるかを話し合いました。まずはご自宅の薬の整理。離れて暮らす家族様にご了承いただき、Aさんと顔見知りの職員と私で訪問しました。沢山の薬と、勘違いされて服薬していたのがわかりました。残薬を預かり、飲み間違えないよう服用する時間ごとに、薬をまとめて一包みにしました。またカレンダーにポケットがついた「お薬カレンダー」を薬局でもらい、家族様がそこに薬を設置してもらうことをお願いしました。今ではAさんが毎日服薬できているそうで、安心しました。(文:地域支援相談員・楠田則子)