【荒木所長からのおたより】健康維持にエコー検診を

【伊勢地域ニュース2020.9月号より】

　働き始めて３か月が過ぎようとしていますが、皆さんのお顔とお名前が一致せずにご迷惑ばかりおかけしている新米所長です。突然ですが、皆さんはご自身の健康についてどれくらい気にされていますか？毎日血圧や体温などを測定したり、ウォーキングをしてみたり、スイミングに通ってみたり、色々お話を聞かせてもらえます。自分自身を把握し健康を維持していこうという気持ちはとても素晴らしいことです。

　診療所は皆さんの健康維持・管理の中心ですから、悩みや疑問があれば僕や看護師に相談してくださいね。診療所では、問診(お話を聞く)・視診(顔色などを見る)・聴診(聴診器で聞く)・触診(手で触る)などの診察を通して皆さんの健康が維持されているか確認しています。診察をより確かなものにするために色々な検査を追加します。「レントゲン」で肺炎を起こしていないか、「採血」で糖尿病やコレステロールの数値は良好かなど確認します。

　あと診察室の枕元に大きな機械が置いてあることにお気付きですか？この医療機器は一般に「エコー」と呼ばれます。エコーは、もともとギリシャ語で音波が壁などで跳ね返ってくる現象のことです。わかりやすく言えば、ハイキングなんかでよくするヤッホー、やまびこです。山に向かって「ヤッホー」と叫ぶと、声が跳ね返り自分にもう一度聞こえる、あれですね。この機械は超音波を体内の臓器に当てて、その跳ね返りを映像化するのです。超音波は体に害がなく、お手軽に体内臓器を観察できてしまうんです。体内臓器もいくつかありますが、具体的には甲状腺、心臓、肝臓、胆のう、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳腺などの観察が可能です。残念ながら胃や腸の観察は不得意分野ですので内視鏡(カメラ)におまかせとなります。

　最近、某タレントさんが健康チェックで行ったエコー検査で腎臓にがんが見つかったというニュースがありました。無症状で、たまたまエコーをしたから治る状態で発見できたようです。内臓に異常があってもなかなか症状はでないものです。症状がある時はもちろんのこと、健康維持の一環としてエコーにご興味があれば、いつでも声をかけて下さいね。

（文・伊勢民主診療所所長　荒木 潤）