津地域委員会ニュース きずな 2022年3月号
1月15日。くらしと平和委員会主催【戦争と平和を語りつなぎたい〜津にあった戦争〜】といった演題で津空襲について、亀井浩さん(説明・解説)、亀井カノンさん(語り手)にお話いただきました。そのご縁として、『次世代へ語りつないでいくこと』をテーマに亀井浩さんにご寄稿をお願いしました。
私たちの活動について
昨年、夏に「第33回津平和のための戦争展」を開催しました。一昨年は新型コロナ感染拡大により中止したので、2年ぶりの通常開催でした。夏の「戦争展」のほかにも、小中学校などからの依頼に応じて、「津にあった戦争」と題して出前授業をしています。父・亀井カノン(84歳)が戦争体験を語り、私が説明を補うというスタイルです。子どもたちは話をよく聞いて質問もしてくれます。語り手の父は、空襲、敗戦のとき国民学校(小学校)2年生でした。当時のようすを実体験として語ることができる、おそらく最後の世代でしょう。
語りつないでいく、ということ
私が戦争展を手伝い始めて20年、いま「戦争と平和を語りつなぎたい」と強く思います。できれば正しさを振りかざすのではなく、自分につながる身近な、自分と同じような一般人の、それが自分であったかもしれないこととして…。声高ではなく静かな声で、たしかに語り合っていきたいのです。
語られない「核心」、残らない「実相」
35年前に津で戦争展が始まって以来、運営を支えてこられた実行委員の先輩方、展示を見に来ていただいた多くの市民の皆さまによって、今日まで「津にあった戦争」が語りつながれてきたことをとても尊く感じます。
そして、最近私はようやく分かってきました。戦争体験の「核心」は語られることがなく、戦争という悲惨の「実相」は写真に残ることがないのだ、と。戦争の無残さ、むごさとは、そういうものではないでしょうか。
戦争はイヤだよね?と語ること
語られない「核心」、カメラで写されない「実相」は、「なかったこと」ではありません。それはやがて私たちが直面する現実に通じる可能性さえあるはずです。その「声なき声」「見えない出来事」に耳をすませ、目を凝らし、今を生きる私たちの言葉で「戦争は二度とイヤ!だよね?」と語り合い続けたいのです。
それが、戦争体験世代が願い、子どもたち世代が求める、私たち世代の務めである、と私は思えてならないのです。
津平和のための戦争展実行委員会
亀井 浩